▲女性の起業・就業サポート「ミノラボ」のサイトより
その日、私たちの前に現れたこちらの女性、手にしていたのは表彰状・・・
ちょうど取材を申し込んでいた日に滋賀県の福祉協議会から表彰を受けていたそうです。
minori labo(ミノラボ)・代表 安達みのりさん
チアーズステーションという子育て支援サークルの長年に渡る活動が県に認められ、表彰を受けたのだとか。
その経験から、地域に眠る女性の才能を引き出し、起業や就労をサポートするお仕事を始められました。
きっかけは娘の習い事
──現在のお仕事を始めたきっかけ、その中で大変だったことを教えてください。
京都に生まれ育ち、滋賀に嫁いできた頃、こどもが小さいうちはまわりに知っている人が一人もいなくて、人見知りでもあった私は、子どもの相手をする以外は孤独な毎日でした。
悩みがあっても相談する友達も近くにはおらず、都会のようにおでかけするところもあまりなく、とにかく右も左も分からない、さみしい気持ちを抱えていました。
そんなある日、子どもも大きくなってきたので何か習い事を・・・と、近所にあったWell・Beというスイミングスクールに娘を通わせることにしました。
▼今も昔も人気の習い事といえばスイミング
──えっ?娘さんのスイミングスクールがどうしてお仕事に?
今は誰とでも話せるくらい社交的になりましたが、当時は知らない人と話すのは苦手で・・・
だから、スイミングといっても単なるこどもの習い事としか考えていませんでしたが、そこでの出会いが私の人生と考え方を変えました。
なんと、専業主婦だった私に
「ここでお仕事しませんか?」
と、Well・Beの方が声をかけてくださいました。
仕事の内容は水泳を教えるインストラクターさんのすぐ近くでインストラクターさんの子どもさんのお世話をするというもの。
「それなら私でもできるかも」
と、引き受けることにしました。
Well・Beではそこに来ているお母さんも指導者もとてもフレンドリーで、とにかく誰でもWELCOMEな関係でした。
最初は戸惑いましたが、だんだんとその輪の中にいるのが心地よくなって、気がつけば中心メンバーに。そして、いつしかWell・Beから生まれたチアーズステーションという地域の子育てサークルの代表として活発に活動するようになりました。
私に影響を与えた様々なモノ、コト、ヒト
──そんなみのりさんに次のステップへ足を踏み出す、影響を与えたものって何ですか?
実は影響を受けた音楽とか、映画とか、本とか・・・そういうのは無くって・・・
影響を受けたのは何と言っても「ヒト」ですね。
チアーズステーションの活動をする中で集客の部分で、なかなかしんどいなと感じた時に、ふと自分は甲賀市という地域の中でしか動いていないと気付いたんです。
このままではいかんと。
そこで、もう少し外に出て異業種の交流会とか子育てのセミナーに行ってみたり、県のチャレンジ支援講座などに行きだした、ちょうどその頃でした。
滋賀県にあるカフェとショップを併設したものづくり体験の場「ファブリカ村」での異業種交流会で、村長さんである北川陽子さんという方に出会ったんです。
当時何も実績の無い私を受け入れてくれて、色々なところに連れて行ってくれて勉強させてくださって、色々な人と繋げてくださったんです。
北川さんはとてもパワフルな方で、とにかく心が大きい。
背伸びをせずとも今の自分、ありのままの自分を認めて、受け入れてくださったことがとても嬉しくて、北川さんに紹介していただける人達との交流は本当に楽しく、勉強になりました。
この人との出会いが無ければ今の私は無かったかもしれません。
▼”ファブリカ村”村長 北川陽子さん
何よりも「ありのままの自分」を受け入れてもらえたことがとても大きいです。
北川さんとの出会いから5年、そこから人脈が広がり、自分の自信にも繋がり、私の財産となっているんだと思います。
▼苦労したと感じたことは無かったです。とにかく楽しかった。
次の世代へ伝えることが恩送り
──北川さんと出会った頃の話を聞くと本当に充実した楽しくすごしていたことが伝わってきます。そんなみのりさんの今の一番の原動力はなんでしょうか?
がむしゃらに走ってきて、気がつけば自分の子育てもひと段落。
娘も来年の春からは大学生です。
そろそろ私も次のステップへ踏み出したい。
Well・Beの先生や陽子さんから私が支えてもらった、与えてもらったものを、地域の子育て世代のお母さんたちに伝えたい。役に立ちたい。女性が起業するお手伝いがしたい。
そんな想いで、「ミノラボ」を立ち上げました。
本当は子どもの成長が原動力なんて言いたいですけれど、いや、もちろんそれも原動力の一つではあるけれど(笑)
やっぱり、私がもらったものを地域にお返ししたい。という気持ちが大きいです。
一人一人に「寄り添い」、 ひとつひとつを丁寧に、
今までいただいた学びとご縁を、「恩送り=ペイフォワード」を大切にして、 安達みのりらしく活きます
「ミノラボ」とは
- 長年携わってきた子育て支援の活動、その経験から女性が子育てをしながら共に学び、繋がり、チャレンジする場を作りたいという想いを形にしたのがミノラボです。
- チャレンジに終わることなく、ママたちのスキルとキャリアを地域で「働く」へ繋げます。
それが 地域経済、地域活性化へ! - 子育ても楽しみながら、 女性が活き活き活躍できる町へ!
”MINORI Lab”ミノラボの目指すところです。
──最後に将来に向けたビジョンをお教えください。
ミノラボは今年まだ始まったばかり。
地域には手作りが得意な人が多いのですが、それを趣味で終わらせずお仕事に繋げることが出来るよう、女性が起業をするための一歩を踏み出す応援をすることで、甲賀市の地域の活性化に繋げたいんです。
「起業って何から手をつけたらいいのか分からない。」
「子育てするだけで精一杯。」
そんな女性のために、まずは気軽な学びの場となるコミュニティを作りたいと思っています。
起業というと堅く考えがちですが、そんな風にガチガチにするのではなく、趣味の延長のように緩やかに楽しく学べる場を提供します。
ミノラボスクールでは
例えば
『セラピースクール&お楽しみセラピーカフェ』
『好感度UPメイクレッスン&プロフィール撮影会』
『Yearボトルセラピー&ストールまきまきコーデレッスン』
といった、タイトルを見るだけでワクワクするようなものから
『ビギナー起業女子のためのライフプランニング』
という、タメになりそうなものまで様々なワークショップや勉強会を開催しています。そんなミノラボスクールに参加してもらうことで、おうちにひきこもりがちな女性が自然と学び、自立し、起業出来るまでに育てたいと考えています。
そして、これはまだカタチになっていませんが、
ゆくゆくは企業と就労したい女性とのマッチングやインターンシップの支援などもやりたいと考えています。
──まだまだ夢は膨らみますね。恩送りってとてもいい言葉ですね。
みのりさん、ありがとうございました!
娘さんの習い事という、誰にでもあるような出来事が、年月を経て今の起業につながっていったというのは驚きです。
特に苦労と感じたことは無かった、楽しく子育てしながらやってこられたと語るみのりさんの表情は本当に活き活きとしていて、輝いていました。
そして、そんなみのりさんの胸にはびわ湖をモチーフにしたブローチが光っていました。
京都出身のみのりさんですが、今ではすっかり地元愛に溢れる滋賀県民です。
こんなにも地域を愛し、盛り上げに一役買おうと思えるようになれたのは、やはりこれまでに支えてくれた人達との出会いが大きいと語ってくださいました。
ミノラボHPはこちらから。
ミノラボ代表・チアーズステーション代表 安達みのり
1970 年生まれ、京都市出身
大学卒業後、アパレル総合メーカーのテキスタイル部門にて一般事務 6 年勤続
1999 年、結婚を機に滋賀県甲賀市へ移り住む。
3 児の子育てを楽しみながら、地域の子育てを応援する団体【CHEERS STATION】とし
て、未就園児親子広場や手作り市を主催、毎年 60 事業、延べ 1,500 人が利用。地域の子育
てからママのステップアップまでを支え、見守る!【子育て応援団】として活動中。
また、2018 年度より女性一人一人の個性が輝き実り、地域が実り、益々大好きな甲賀が大
きく実りますように!との思いを込め【MINORI Lab】を創業。いずれ働きたい母親から
起業したい女性をサポート、企業や地域と結び【働く】に繋げる事業をスタートする。