▲サクセスフル・エイジングの伊東まり子先生(同朋大学)のサイトより

華やかなお顔立ちに、抜群のプロポーション・・・。
誰もが憧れる、まるで一流女優のようなこちらの女性、実は大学院教授なのです!

同朋大学大学院教授・博士 伊東まり子

専業主婦から大学院教授へのステップアップに至る経緯、そのバイタリティーの根源に迫ります。



逆境からの逆転


──現在のお仕事を始めたきっかけ、その中で大変だったことを教えてください。

専業主婦10年余、一念発起し通信制の大学に挑戦し36歳で卒業。37歳で大学院チャレンジし、在学中から非常勤講師として大学の教壇に立ちました。
40代で助教授、50代で教授とステップアップを重ねてきました。
でも一筋縄でここまでこれたわけではありませんでした。

大学院在学中は、姉弟子2人(2人は私が入学する迄は犬猿の仲だった)に嫌がらせや研究発表の場の妨害を受けたのです。専任講師として、名古屋に単身赴任してからは、同年輩の同僚に嫉妬され、海外留学にも理不尽な反対を受けました・・・

▼一筋縄ではいかなかったよう・・・
──そんなことがあったのですね・・・。

でもそんなことには負けていられません。
「労働者の権利として、行かせていただきます!」と宣言しました。海外留学の条件であるUCLA老年学センターからの招聘状(invitation letter)が私を鼓舞したのです。

それらの逆境こそが、私を鍛え本気にさせてくれました。
それ迄、奥様業を主として、腰掛気分でいた私。
「おーし!私の本気見せてやるう!!」「おーし!あんたら(姉弟子2人)と同じ土俵(学会)で勝負したろうやないの!」とのんびり屋の私の闘争心に火がついたのです。笑

今では、これらの人々に感謝、感謝。これらの妨害も私を育ててくれたのだと思います。



私に影響を与えた様々なモノ、コト、ヒト


──そんな伊東先生の人生に影響を与えたもの、とても気になります!

いくつかあるので順にご紹介しますね。

まずはモノ。本なのですが、14歳で出逢った『DIETT』の上下巻

ダイエットとは、本来、痩せることではなく、健康に生きるという意味を持ちます。この本によって、現在に至る精力的活動を支え続ける、私が提唱するまり子式「太らない、老いない、病まない、疲れない」の4原則が生まれたのです。

また、ファッションの力にも支えられた。私の哲学では、ファッション(装い)は、「その日、逢う方へのギフト」と考えています。時、場所、場合(Time,Place,Occasion)だけではなく、自分が求められている立場を考え、最適解(メインの洋服、ジュエリー、靴、バック、ヘアスタイル、メイク迄トータルに考えて)を求めてきました。

▼TPOだけでなくその場に最適なファションを楽しまれておられます☆本当にオシャレ!

次はコト
女性が生れてから現在に至る、娘から妻となり、母となり姑となる・・・。
家の都合で進学を諦め、静岡で家事手伝いをしていた頃、現在の主人現れ、「君は、この町で終わる女じゃない」との発言で、環境の異なる関西に結婚と共に移ったコト。

その後娘を出産し、娘の成長と並行して、娘の通う滋賀大学付属小学校PTA副会長に選出される。力不足で不安なとき、小3の娘から紙を渡される。そこにあったのは「艱難汝を玉にす」という言葉のプレゼントだった。図書館の本を殆ど読破したという文学少女(?)の彼女流の母への励ましを受け取ったコト。

その後一念発起し大学院で学び直していた時、中1の娘が「ママの生き方に似ている気がして」と新川和江の詩プレゼントされたコト。

その詩の一部もご紹介しますね。

「わたしを座りきりにさせないで下さい
 娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
座りきりにさせないでください わたしは風
 りんごの木と泉のありかを知っている風」

詩画集 わたしを束ねないで 出版社: ザイロ 参考価格4,689円

つまり結婚から育児、学び直し大学院を経て経済学修士号取得、大学講師就任。逆境を跳ね除けての海外留学、助教授、教授、経済学博士号取得し大学院教授。そして大学院研究科長から働き方改革もあり大学教授を2大学で併任と家庭と共にキャリアアップして来たコト。

全ての事柄が人生に影響を与えてきました。

3つ目はヒト

とりわけ2人の偉大な女性からインスパイアされました。

1人目は、料理研究家の飯田美雪(103歳没)。
42歳で大学の常勤講師になったとき、
「私ね、42歳でこの世界に入ったの。だから、50代60代は無我夢中だったわ。70代でやっと仕事に余裕が持てるようになり、80代で一番、良い仕事が出来たの」と。
当時、40代で専業主婦からここまで来られたのだから、もういいかな?と思っていたときに、背筋が伸びた言葉を戴きました・・・。

2人目は、60代で知ったスーパーモデルのカルメン
87歳での現役の彼女は、「女性の美しさは若さだけではない」ことを証明した女性として今尚ニューヨークやミラノコレクションで活躍中です。70歳で大がかりなの詐欺団に全財産を奪われても「もういいわ!また稼ぐから」と3日後に記者会見した女性!!
70歳ですってんてんになっても、そう言い切れる女性って、強く本当に美しい人よね!



バイタリティの根源


──伊東先生の側面を垣間見ることが出来た気がします・・・。そんな先生の今、一番の原動力はなんでしょうか?

理念的なものと、現実的なものがあります。
前者は、留学先であるアメリカ仕込みの老年学(Gerontorogy)の究極目標であるSuccessful Aging(サクセスフルエイジング)―年齢を重ねることに成功する―という理論を普及させるには、それを体現する自分しかいないという使命感です。
またその理論が社会(広くは、メディア各社、講演会、市町村、企業、学部生、院生ら若者、女性、高齢者すべてのコーフォート)から求められていることですね。

▼気になる方は是非ご覧ください!

まり子教授のサクセスフル・エイジング講座―年を重ねるごとに美しくなる方法
出版元:メディアファクトリー

後者は、教え子(学部生、院生含む)、一人娘と、ムコ殿、孫その家族、パートナーとの生活です。

──最後に将来に向けたビジョンをお教えください。

次に向けたチャレンジングな人生を、生い立ちからこれまでを、赤裸々に書いた自叙伝、一代記を書き、シナリオも自分の手で書き上げて、同性をエンカレッジしたいです。
また、自らが受けた恩を次世代に手渡していくことが私のビジョンです。

──伊東先生、ありがとうございました!
美しさの裏側に隠れた逆境を味方にする力には感服いたします!
伊東先生が提唱される『サクセスフル・エイジング』、気になられた方は是非チェックして見てください!

ホームページはこちらから。


同朋大学大学院教授・博士 伊東まり子
同朋大学社会福祉学部教授。同大学・大学院人間福祉研究科教授、同研究科長経済学博士。静岡県生まれ。兵庫県長寿社会研究所研究員を経て現職。米カルフォルニア大学老年学センター客員教授として招聘。著書に『楽しく学ぶ高齢者福祉-まり子先生のサクセスフルエイジング入門』など多数。