皆さん、『ローズウィンドウ』というものをご存知ですか?
ローズウィンドウとは薄い色紙を重ねて作るペーパーアート。今回はローズウィンドウに出会い人生が変わった、女性に取材を行いました。

ローズウィンドウ認定講師 河瀬有子

第5回目となる今回は、ローズウィンドウ認定講師河瀬さんの人となりに迫りました。

今はまだ知らない方も多いであろうローズウィンドウというアートにかける思い、そしてローズウィンドウがもたらしてくれた沢山の”縁”とは・・・。

 



ローズウィンドウとの出会い


まずローズウィンドウについて少し触れようと思います。
前述の通り、ローズウィンドウとは薄い色紙を重ねてつくるアート。1枚1枚異なる形に切り抜き、貼り合わせる事によって美しい模様が浮かび上がります。

紙の色の組み合わせを工夫することによってグラデーションを表したり、色を重ねて違う色を作り出したり、表現方法は多岐に渡ります。作り手によって同じ図案でも全く違った仕上がりになるのです。

モデルとなっているのは教会を彩る『バラ窓』と呼ばれる丸い形のステンドグラス。その美しいバラ窓を身近に取り入れられるようにと、ヨーロッパで発案されたのが始まりなのだとか・・・。

使用する紙の色を変えると、同じデザインでも全く印象が違う作品が出来上がります。作品を作成することによって精神を安定させる効果や、出来上がった作品を眺めることでカラーセラピーのようなリラックス効果を得ることが出来ます。

──現在の講師業を始めたきっかけを教えてください。

私がローズウィンドウに出会ったのは平成25年の12月。
たまたまやっていた、ローズウィンドウの日本での第一人者、中山 真季先生の個展を見たのがきっかけでした。

その頃、私の父が亡くなるという悲しい出来事があって、何ヶ月も家に引きこもっていました。そんな時に偶然息子が「クリスマスだから出かけよう」と外に連れ出してくれたんです。

その時に出会ったのがローズウィンドウでした!
実際に個展で作品を見たのはほんの僅かな時間だったのですが、一瞬見ただけで衝撃を受けたのを今でも覚えています。

「これは何?何で出来ているの??」
作品に目が引っ付いてしまうくらい近づいて、見入ってしまいました(笑)

後ろ髪惹かれる思いでその場を後にして、明日一人でもう一度来よう!と思ったら、、なんとその日が最終日!

これって縁が無かったってことなのかな・・・と思ったのですが、それでもローズウィンドウを見た瞬間の衝撃が忘れられなくて。これは後々になって思ったことなのですが、私が心を病んでいたときに衝撃を受けたのは、教会のバラ窓がモデルとなっているからなのだと改めて感じました。

それでネットで調べたら、第一人者の中山先生と出身地が一緒だったのです!この上ないご縁を感じてすぐに弟子入りしました!
そこから今日に至ります。

▼見入ってしまうほど繊細な作品です。

──運命が重なった結果ですね!強いご縁を感じます。

ローズウィンドウを見ているだけじゃなくて作ってみたいと強く思ったんです。あの時外に連れ出してくれた息子にも感謝ですし、あの時ふさぎこんでいた私を父が導いてくれたのかな・・・と思います。

師匠である中山先生は、日本中にローズウィンドウの講師を増やしていこうと全国を飛び回っていらっしゃいます。
まだまだローズウィンドウって本当に知られていなくって・・・。
体験教室を開催しても、聞いたこともないっていう生徒さんばかりです。

せっかく先生と同じ出身地、ご縁があったのだから私普及のお手伝いをしようと活動を始めました。

最初は活動の周知であったり、体験教室の参加者さんを集めることに苦労しましたね。ただ、知られていない分、皆さん何?何?って興味を持ってくださって!
今ではSNSで体験教室のお知らせをすると1~2時間程で席が埋まるんですよ。

ローズウィンドウは眺めるのもいいんですけど、実際に作ってみるところに面白さがあると私は考えています。だから展示会よりも体験教室を開催して生徒さんに実際に作品を作ってみて貰いたいんです。

でもやっぱり作品が増えてくると、じゃあこの作品を間近で見てもらいたい!この繊細を伝えたい!と思うようになりました。
SNS越しで携帯やパソコンの画面から伝えるには限界がありますしね。(笑)

最初は講師だけで展示会をしていたのですが、面白い魅せ方ってないのかなと考えていた時にプロの照明家の方がローズウィンドウをとても気に入ってくださって、コラボすることになったんです!

実はその照明家さんすごい方で、東京のテレビ局や、有名アーティストの照明監督を手がけていらっしゃったんですって。
そしてもう一人、音楽家さん。その方もプロの作曲家を目指していた方が加わってくれてこの3人で展示会をすることになったんです。

▼ローズウィンドウと光の相性は抜群です!
照明と音楽、ローズウィンドウとどう結びつくのか・・・と思っていたのですが。。

展示会は大成功でした!
展示会の合間にショータイムがあって、音楽に合わせてぽん、ぽん、とローズウィンドウが照らされていく・・・
とても幻想的な空間が出来上がったのです!来てくださったお客様からは「まるでアトラクションみたい!」と大好評でした!

こういった新たな魅せ方をした展示会がターニングポイントとなって、ローズウィンドウの認知度がぐっと広がりをみせました。



影響を与えられた作品たち


──展示会にお邪魔したかった!お話を聞いているだけで素敵です。そんな河瀬さんの人生に影響を与えたものはやはり・・・

そう、やっぱり中山先生のローズウィンドウですね!
この出会いがなければ私の今はないです。

▼この作品たちも図案の作成は全て中山先生!
中山先生はカリスマ的な存在で・・・。
先生の世界観って本当にすごいんです!


▲中山先生の著書。素晴らしい作品の数々が掲載されています。

この本を見ているだけでも癒されるんです。作品の一つ一つにメッセージ性があるというか本当に素晴らしい先生だなと思います!

この本、全て作品の図案が載っているんです。この図案だけ見たら完成図って思い浮かばないですよね。全てのパーツを貼りあわせて初めて図柄がわかるのです。

このパーツを頭の中で展開図にして、1枚目はこう、じゃあ2枚目はこうして、、と言うのを脳の中で考えて作るんですよ!

──頭の構造が天才的です・・・!

私も図案を作るのですが、だからこそ先生の図案の複雑さに驚くと言うか・・・、普段使わない脳みその部分を使う感覚です。(笑)
図案だけでなく、色の重なりもこの時に考えなければいけないので、ものすごく奥深いんです。

中山先生は年単位で図案を考えられるそうで。
図案が頭の中降りてくるんですって、アーティストみたいですよね(笑)

だからこそこういう図案が作れるのかなって思います。



家族と生徒が心の支えに


──精力的に活動を進める河瀬さんの今一番の原動力は?

まずは家族の応援。

ローズウィンドウに出会った当初、やっぱり根を詰め過ぎることがあって。しょっちゅう徹夜をしていました。そうすると日常生活に支障が出てきて・・・(笑)

家族に当たってしまうことがあったんです。そしたら息子が怒ってしまって!
「そんなに不機嫌になるくらい、生活のリズムが崩れてしまうくらいならローズウィンドウなんてやめてしまえ!」と言われたんです。

その言葉ではっとして、その部分もコントロールしていかないとこれから活動していけないなと思いました。
そのお陰で無理なくすることが出来るようになりました。

ローズウィンドウが嫌になった時期もあったんです。そんな時は道具も何もかもぜーんぶ隠してしまって(笑)そうまでしてもやっぱり戻ってしまうんですよね。

たまに距離を置くことによって、今までとは違う見え方が出来たり、メッセージ性に気づいたり・・・。息子のあの一言が結果として良いものに繋がっていると思います。

──身近な存在である息子さんの言葉だからこそ余計に響きますね・・・

もう一つの原動力は生徒さん。

今定期講座を2箇所していて、だんだんと生徒さんの人数が増えてきた中で、今までは私の作品の展示会をしていたのですが、生徒さんが一生懸命作られた作品をお披露目する機会を作れないか・・・と考えていました。

そんな時に生徒さんと「ツアーしようか!」と言う話になって(笑)
作品を引っさげて各地を回る、これを当面の目標にしようと!

やはり生徒さんの存在は大きいですね、今までは自分一人の活動だったのが、一緒に活動できる仲間が出来たというのは本当に有難いです。

──支えがあるとより一層頑張れますよね。最後に次に向けてのビジョンを教えてください。

もっととにかく沢山の人にローズウィンドウを勧めて行きたいと思います。
こんなに素晴らしいアートがあるんだということを広めていければ・・・。

あとは、ローズウィンドウは癒しの作品なので。私自身もローズウィンドウに救われました。なので病院の待合室や老人施設をローズウィンドウでいっぱいにしたいです。

先日訪れた老人施設で体験教室を開催したのですが、参加者は84~94歳のご老人たち!皆さんしっかり完成されていました。

手先を動かすローズウィンドウは認知症予防にも効果的なんですって!
出来ないことが増えていくご老人にとって、一つのものを完成させる成功体験はとても貴重なのです。

──参加された方も楽しんで取り組まれたと思います!

あと、この前訪れた中学校でも面白い出来事があったんです。

そこにはやんちゃな男の子がいて、先生も手を焼くような・・・
最初はちゃんと参加してくれるか少し不安だったのですが、ふたを開けてみてびっくり!なんとその子が一番真剣に取り組んでいたんです!先生も驚いていました(笑)

出来上がった作品もピンクを基調とした優しい雰囲気のもので・・・
きっとこの子は繊細で優しい子なんだな、自分を上手に表現できていないだけなんだなと思いました。。

ローズウィンドウはカラーセラピー的な要素があるんです。
自分の心の内面が色使いに映し出されるんですね。カラーセラピストの先生とコラボしてそういった講座をしたりもしているんですよ。

幅広い年齢の方に少しでも間口を広めて多くの方にローズウィンドウを周知していきたいと考えています。──河瀬さん、ありがとうございました!

美しい作品の裏に隠された運命的なご縁の数々、そして何より河瀬さんのローズウィンドウにかけるしなやかで熱い思いに触れることができました!

なんと取材後には作品を一つプレゼントしてくださった河瀬さん!
弊社の入り口に大事に飾らせていただいております!貴重なお話と作品を本当にありがとうございました!次回も乞うご期待。

▼毎日癒されております☆
ローズウィンドウ図案:日本ローズウィンドウ協会 中山真季

ローズウィンドウ認定講師 河瀬有子
日本でのローズウィンドウの第一人者中山真季氏に師事し、認定講師の資格を得る。滋賀県北部を中心に精力的に活動。様々なアーティストとコラボレーションし、ローズウィンドウの魅力を周知する活動を広めている。
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